後悔しない着物の処分方法

【後悔しない着物の処分とは?】娘や孫が喜ぶ「着物の整理・整頓・清掃・清潔」を呉服のプロが徹底解説!

目次

「亡くなった親の着物を減らしたい」
「着なくなった着物を処分するか迷ったらどうするべき?」
「タンスに眠った着物の良し悪しをプロから教えてほしい」

といった着物の整理整頓、断捨離にお悩みではありませんか?思い出の詰まった大切な着物は次世代に伝えて長く愛用していきたいものです。着物はめったに着ないと全て処分するのではなく、思い出の詰まった着物や、質の良い着物は手元に残してはいかがでしょうか?

着物を長くきれいに着るには、本当に不要なものを手放して、残すべきものを残す見極めが大切です。この記事では、着物の手放し方、残す着物の判断のポイントをご紹介します。

 

亡くなった親の着物をどう管理する?

おばあちゃんの着物

亡くなった親が昔着ていた着物や、母や姑の遺品の着物、なかなか着る機会がない着物など、タンスに眠ったままになっていませんか?

着物は多くが正絹でできており、そのままタンスに保管しているとカビや虫食いといったトラブルの原因になります。しかし、正しい着物の保管方法を知らず、洋服のようにタンスに入れたままになっている方もいらっしゃいます。

 

着物の保管方法の見直しや下取りを検討しよう

大切な着物を長く保管するには、着物に合わせた保管方法やクリーニングなどのお手入れを続けることが大切です。特に大量の着物を詰め込んだまま保管していると、さらにカビなどが発生しやすい状態になってしまいます。

カビと虫食いの予防のため、もし着ない着物があれば下取りや買取などで一部を手放す方法も検討してみてはいかがでしょうか?

 

着物を手放す方法は「買取・処分・下取り」

着物の買取業者
  • 買取業者
  • 廃棄物として処分
  • 下取りしてほかの商品購入に活かす

着物を手放す主な方法は上記の3つです。手軽な方法は、廃棄物として処分する方法ですが、まだ着用できる着物を手放すのはとてももったいないことです。

 

着物の買取業者とのトラブルには気をつけて!

自分では着る機会がなくなった着物も、他の人にとっては価値のある品物かもしれません。そのため、買取業者に査定を依頼する方が増えています。

しかし、注意すべき点として、着物の買取価格は購入価格の1000分の1程度になることも珍しくないこと、そして業者によっては良質な着物のみを選んで買取り、それ以外はほとんど買取を拒否される可能性があることが挙げられます。

着物の買取に関するトラブルの詳細は、次の記事でより詳しく紹介されています。母が頻繁に着用していた着物でも、着物を着ない自分はすべて手放すべきだと判断するのは非常にもったいないことかもしれません。無闇に廃棄したり、買取を依頼する前に、持っている着物に改めて向き合うことをお勧めします。

詳しくは▶︎【着物買取のトラブル事例】着物の買取業者を選ぶ注意点、遺品整理など古い着物の価値や相場はいくら?

 

着物の5S活動で次世代に良い物を残す

着物を保管するタンス

製造業の現場で取り入れられている「5S活動」という考え方をご存知ですか?

5Sは整理・整頓・清掃・清潔・しつけの5つを意味しており、それぞれローマ字のSを取って5Sと呼ばれています。この考え方は製造業だけでなく、ご自宅にある着物の管理にも適用できます。

大切な着物を保管するだけではなく、次世代へと良い着物を伝えるために、母から娘、そして孫が着物を着られるよう、今お手元にある着物の管理を見直してみてはいかがでしょうか?

 

整理…着物を減らす

保管している着物や貴金属などが現在どれくらいあるのか、整理することから始めましょう。整理と整頓はよく同じ意味だと思われがちですが、整理の主な目的は「不必要なものを減らすこと」です。一方、整頓の目的は「整理して減らしたものたちを適切な場所に配置すること」です。

着物の断捨離を進めるにあたり、まずは残したい着物と手放す着物を選んで、収納する場所を決めていくことが大切です。不要な着物は処分するか、他の方に譲るなどして、タンスの中を整理しやすくしましょう。

着物を着る機会がなくなってすべて手放すのは、思い出や歴史が詰まった価値ある着物を失うことになり、非常に惜しいです。重要なのは、自身でどれくらいの着物があるのかを把握し、管理可能な範囲のものを残すことです。全てをタンスに入れっぱなしにすると、カビや虫食いで着物が傷む原因にもなります。

 

整頓…タンスの中を整える

整頓はタンスの中を整理することです。手放す着物を決めたら、どの位置にどの着物を収納するかを考えましょう。

整頓により着物の保管場所を明確にすることで、着物を探しやすくなり、気軽に着用できるようになります。また、着物の数を正確に把握していれば、定期的なクリーニングやメンテナンスも容易になります。

 

清掃…タンスをきれいにしてカビ予防する

清掃は保管場所をきれいにすることを目的とします。着物を保管しているタンスも定期的に清掃することで、カビや虫食いの予防に繋がります。特に古いタンスはカビが生えやすいので、着物を収納する前にタンスをきれいにすることが重要です。着物を一度全て取り出した後、再び収納する前にタンスをきれいにしましょう。

また、着物の整理を機に、着物の管理に適した桐タンスへの変更も検討してみると良いでしょう。桐タンスは防虫、防湿、気密性に優れており、着物の収納に最適です。

 

清潔…クリーニング・シルクパックで清潔に保つ

清潔は、清掃した場所や物をきれいな状態で維持することを目的とします。特に古い着物はカビや虫食いによる被害が起こりやすいため、保管する際は注意が必要です。残すことに決めた着物は、クリーニングして、シルクパックできれいな状態を保つことが大切です。

シルクパックは、袋の中の空気を全て抜き、不活性ガスを充填することで外気から隔離し、着物の劣化を防ぐ保管方法です。特に、記憶に残る振袖や、子どもの七五三の着物など、長期保管したい着物には非常に適しています。

 

しつけ…次世代に価値のある着物として認識させる

しつけは、元々は職場で働く人たちが常に清潔に職場を利用するための環境づくりを意味します。着物においては、次世代に着物の価値を認識させ、伝えていくことが大きな目的になります。

ただ単にタンスに保管するだけでなく、クリーニングやシルクパックを利用して大切に管理することで、娘や孫へと価値あるものとして「この着物は特別な思い出が詰まっている」と感じてもらえるようになります。

適切な保管方法を用いれば、着物は数十年にわたり着続けられます。あなたが子どもの頃に七五三で身につけた振袖も、娘や孫へと大切に受け継がれていくことでしょう。

 

残す着物の枚数と保管方法を見直そう

着物の着付け

お手元に残す着物が決まったなら、保管方法を再考しましょう。着物を清潔に長持ちさせるためには、適切な保管方法と環境が必要です。

 

保有する着物の枚数を定める

多くの着物を持っていて管理に苦労している方は、まず保持する着物の枚数を決めことが重要です。大切な思い出が詰まった着物を簡単に手放せないため、結局タンスに着物が溜まってしまう方も少なくありません。

しかし、着物は大切にするからこそ、自分で適切に管理できる枚数に限定しておくべきです。これにより、タンスの中を整理整頓し、通気性を良くしてカビや虫食いを防ぎます。 このようにして整理された着物は、将来着物を引き継ぐ子供や孫にとっても、より親しみやすく管理しやすいものとなります。

 

訳ありの桐タンスを検討する

着物を適切に通気性良く収納するためには、新しい桐タンスの購入を検討することが一つの方法です。ただし、桐タンスは価格が高いことが多く、気軽に購入できるものではありません。しかし、少々の傷があるために価格が下がっている「訳あり桐タンス」を取り扱っている呉服店もありますので、購入を考えているなら相談してみる価値があります。

 

処分する着物を決める4つのポイント

処分する着物

着物の5Sについてご紹介してきましたが、実際に着物を手放す際、どの着物を保持し、どの着物を処分すべきかを判断するのは難しいかもしれません。

着物を処分しようと思ったとき、具体的にどんな着物を手元に残し、どの着物を処分すべきかについて迷っている方も多いでしょう。

ここでは、着物の数を減らしたいが、どの着物を選んで処分すべきかわからないという方のために、優先して手放したい4つの着物をご紹介します。

 

1.カビやシミなどの傷みが多い着物の処分

保管する枚数を決めたら、カビや虫食いなどダメージが多い着物から手放しましょう。カビが生えた着物を一緒に保管すると、他の着物にカビが発生する原因になります。

また、大きなシミや破れなど、クリーニングしてもきれいな状態に戻らない着物や、リフォームが困難な着物は断捨離で手放すことをお勧めします。

 

2.黒絵羽・道行コートなどの羽織の処分

昔、着物に合わせて愛用されていた羽織や黒絵羽、道行コートなど、現代ではなかなか合わせる機会がない羽織物はリフォームや下取りを検討してみてはどうでしょうか。

特に黒絵羽は、お子様の入学や卒業の際に着用するものとして普段着に組み合わせて略礼装になる羽織として作られましたが、現在は入学や卒業で洋服を着る家庭が増えており、見かける機会が減っています。

 

3.親の喪服の処分

喪服は基本的に他人が着ることは控えるべき着物です。人の喪服を着ることは悲しみの貸し借りになってしまうこと、そして人の不幸を背負うべきではないという観点から、次世代へ譲ることは推奨されません。そのため、お母様が着用していた喪服は、この機会に下取りや処分を検討してみてはいかがでしょうか。

ただし、慶事のフォーマルや礼装は、結婚式や入学式、成人式など思い出のシーンで着用され、人生の節目やお祝いの席で身に着ける着物です。喪服とは異なり、慶事の着物は代々受け継いでいきたいものですので、ぜひお手元に残すことをお勧めします。

 

4.虫食いされるウール・綿・化繊・浴衣の処分

正絹以外で作られた着物は虫食いされやすい素材です。もし着用する機会がない着物であれば、手放すことを考えてみてはいかがでしょうか?

ほかにも、普段着に身に着ける小物や紬などの着物は、着る機会が少なければ、枚数を減らして残したいものだけを保管することで、着物を整理整頓しやすくなります。反対に、正絹で織られた着物やフォーマルは、お手元に残して次世代へ伝えていくことをお勧めします。

 

以上、これらのポイントを参考にして、自分の持っている着物を見直し、大切にしたい着物と手放すべき着物を選び分けることが大切です。着物はただの衣服ではなく、文化や伝統、思い出が込められた貴重なものです。適切に処分することで、着物文化を次世代に引き継いでいただきたいと思っています。

 

着物処分の相談もえり正へ

着物処分の相談はえり正に

えり正では、着物の下取りサービスを提供しています。お客様の手元に良質な着物を残しつつ、傷んだり品質の低い着物を整理することで、次世代へ価値あるものを伝えるお手伝いをしています。

下取りした着物は、1点につき5,000円分の商品券と交換いたします。この商品券は、えり正で扱うパールネックレスなどの購入に利用可能です。

えり正は呉服の専門家であると同時に、ジュエリーコーディネーター、ジュエリーリモデルカウンセラー、パールシニアアドバイザーの資格を持ち、相続診断士としても活動しています。終活、断捨離、形見分けなど、着物の管理や整理に関するご相談もプロフェッショナルとして承ります。着物の5Sに基づいて、整理整頓の一歩を踏み出してみませんか?

 

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